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第41話

動かない。


振りかぶった腕。


手首を掴まれた感覚がする。


思わず後ろを見た。



「しぐれ……くん?」


なんでいるの?


「……はなして」


私はコイツを殺さないといけない。


「……馬鹿」


えっ


「そんなことしなくてもよかったのに」


引っ張られた。


上に、上に。引っ張られてどんどん上につれてかれる。


口をぽかんと開けた祐奈が見上げてきていた。


急ブレーキ。


雲が近い。


「……ここまでくればいいな」


えっえっ何するの?


「マヌケ顔してんぞ、らしくないな」


……は?


「いいのか?せっかく二人きりなのに」


……まさか

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