第20話
前奏が流れ始める。
リズムに合わせて、拍手の合の手が響く。
ユウはいままで見たことがないくらい子供らしい笑顔で、ステージを見つめている。
スポットライトがつき、PPFONの二人があらわれた。
同時に歓声。
「きたーーーーーーーッ!!!」
隣でユウがぴょんぴょんはねている。
俺も少し予習してきた。
キーボードのウララ。
エレキギターのレイ。
二人とも女性で、歌も歌える。
「んっ!ハイッ!んっ!ハイッ!」
「いやなんだよその掛け声……」
オタクモードに入ったユウは置いといて、PPFONのパフォーマンスはすごい。
歌唱力はもちろんだが、ドーム内の全てのファン達と一体になっている。
何もかも惹きつける、音楽のブラックホール。
俺も今、そこに吸い込まれそうになっている。
ユウの言っていたことにも納得した。
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