第64話

翔貴side


1人にさせてごめんと謝ると泣き出してしまった葵衣


「なぜ、泣いている?何が嫌だったんだ?」


「嫌じゃないんです。嬉しいんです。あなたに抱きしめられることが何よりも私は嬉しい。」


葵衣の涙が収まるまで、俺は抱きしめた


その日から、俺が帰ってくると、抱きしめることが日課になった


「ただいま」


「おかえり。翔貴。」


俺が、どんなに遅く帰ってきても必ず出迎えてくれる葵衣


帰りが遅いときは、眠るまで1日の出来事なんかを話したりする


早く帰って来れたときは一緒に夕食も食べる


そして、1番大きく変わったことは、葵衣がよく笑うようになった


俺にとってそれが一番の喜びだ


そんな病院での生活も1ヶ月が過ぎた頃


リハビリも終わり、体力も回復したので退院の許可が下りた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る