第56話

翔貴side


お袋の話を聞いて、俺が小学生のころ屋敷に女の人が住んでいたことを思い出した


当時の俺は、誰かの関係者かと思っていたが、それが葵衣の母親だったなんて思いもしなかった


「その渡してくれって頼まれた奴は今どこにある?」


「ここよ」


そういって、カバンから小さな箱を取り出したお袋


綺麗に包装がしてあり、葵衣へと書かれたメッセージカードが挟まれていた


「これ、葵衣ちゃんが目を覚ましたら渡してね。それと、橘の組長と若頭には本家で話を聞くからどうするか決まったら来なさい。」


「あぁ」


お袋が病室から出ていき、俺と眠っている葵衣の2人きりになった


「あの2人をどうするかは葵衣が決めろ。だから早く目を覚ませ。」


眠っている葵衣に問いかける俺の声が病室に響いた

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