第25話

今日もいつものように準備をしていると玄関が開く音がした


「おかえりなさいませ。」


「あぁ」


「お食事はいかがなさいますか?」


「食べる」


「かしこまりました。準備いたしますので先にお風呂へお入りなってください。」


「あぁ」


なぜ、こんな早い時間に帰ってきたのだろうと思いながら作っておいた夕食を温める


でも、それを本人に聞くことはしない


聞いてもきっと無視されるだけだから


私たちに会話はないから


温め終わった夕食をテーブルに並べて私は自分の自室に行く


今日もいつものように夜になったら町に行く予定だったから出していた服とパソコンを


ダンボールに入れてクローゼットの奥に押し込んだ


部屋から出るとお風呂からあの人から出てきた


「お食事はテーブルに用意してあります。失礼いたします。」


そういって部屋に戻ろうとしたとき声をかけられた


「お前は、食べないのか?」


初めて、声をかけられた私は驚いてしまった


「えっ?」


「お前は食べないのかと聞いている。」


「ご一緒してもいいのですか?」


「あぁ」


「ありがとうございます。」


こうして初めて、私たちは二人で食事をした

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