第50話

■■完結後の話



「へぇ。ここがリッタ様の部屋かー。」


「わぁ!」


「あなたが声をあげるなんて珍しいね。」


リッタは素っ頓狂な声をあげた。

突如彼女の背後に現れたウィードは上機嫌で辺りを見回す。



「お前…!」


「リッタ様が俺の名を呼んだから。」


「あ。」


そういえばウィーに掛けられている魔術をリッタは解かせていなかった事を思い出す。


リッタは部屋を見られた恥ずかしさで歯噛みした。そしてウィードへ向けて指を差す。

すると紫色の閃光が走った。

指を差す先ではウィードが棚に並べられているミニチュアを覗き込んでいる。


光がウィードに当たればウィードの身体の自由を奪うことが出来る

しかし光はウィードによって、彼の数センチ手前で消えた。



「そういうプレイが好きなの?」

「は?」


「俺リッタ様になら何されてもいいよ。」


じゃあ当たれ。そう思ったが、ウィードのデレデレとした面を見て押し黙る。

絶対に不埒なことを考えていると分かるから。



「女の子らしくてすごく可愛い。リッタ様にぴったり。」


ウィードは何事もなかったかのように部屋への感想を述べる。リッタは恥ずかしくて心臓がどくどく騒がしくなった。



「どうしてそうなる?私とは真逆だろう。」


「無自覚こわ。確かに魔王の部屋ではないけど、あんなに可愛く甘くおねだりするんだからぴったりだよ。」


「…聞くんじゃなかった。」


「撫でてほしくて無防備に甘えてくる仔猫みたいなのにどエロい声で喘いでさ、…あ!この箱、俺がプレゼントしたやつだ!」


ウィードが棚に置かれているひとつの箱を見つけた。

木で出来た宝箱の様相をしている。

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