第43話

繰り返されて与えられる快感にウィードは息を詰める。



「あ…、駄目だ。リッタ様……出るから…っ…」


リッタをそっと離そうとする手に指を絡めて続ける。

たちまちゴプッゴプッと口の中に熱い液体が吐き出された。

リッタは魔族とは違う味と匂いとその量に驚きつつも飲み込んでしまう。



「ごめ…え!?え?!わ!駄目だよ!吐き出して!」

「もう飲んでしまった。」


飛び起きて吐き出せるように手で受け止めようとしたウィードは、べっと舌を出したリッタを見て赤い顔をもっと赤くした。



「舌まで可愛いなんて。」


ウィードは低く唸るように呟くとリッタの唇を貪る。

リッタが舌を絡めて応えるものの、胸に与えられる快感のせいで疎かになる。


あの夜の強引なキスと違って怖いと思わないのはどうしてなの?

それどころか、求められている事が素直に嬉しい。



ぎこちなくて拙いキスと愛撫は温かい湯のように心地好くて、リッタは自分が蕩けているのではなんてあり得ない事を思う。


しかしそれだけでは足りなくて。



「ん…ぁ、あぁっ。もっ、もう…挿れ…ぁ、あ……っ。」

「ん?なに?」


ウィードはリッタの足の間から顔を上げて聞き返す。

自分を食らい尽くさんばかりにしゃぶりつく彼は捕食者の目をしていた。



「も、もう準備、ん…っ出来てる…から…っ!」

「うん。でも俺初めてでリッタ様の身体傷付けたらまずいから。」



遠浅の澄んだ海のような瞳がリッタを真剣に見つめて指を埋め込む。小さな変化も逃さないせいでリッタの弱い部分をもう心得ていた。


拙かった動きが段々と的確な動きに変わってリッタの快感を捉えるせいで


「すごいね。キュッて指を締め付けるよ。」

「あ、も、もう達してしまう…から…」

「うんっ。見せてっ。」


熱を孕んだ浅海の瞳に見つめられながら呆気なく達してしまう。

潤んだ瞳もシワを寄せた眉間も、息を吐く唇も、どれもこれもがウィードを喜ばせた。


ウィードは満足そうに髪を撫でるけれど、欲望をぶつけたくて仕方がない。



こんな可愛くて綺麗なリッタ様を他の雄も知ってるんだよなぁ。…殺すか。

そう思いながらまたリッタの身体を弄る。

他の雄の事なんて忘れさせなくては気が済まない。



「…んっ、もう…良いから。」

「駄目だよ。痛くしたらいけないから。」


「ほし、…あ、んンッ。欲しいの…っ。」

「何が欲しいの?言って?」



欲に染まりきった目がリッタに直接的な言葉を口にさせた。

魔王として屈辱的とも云える事だと、今のリッタに気にする余裕はない。

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