選ばれし勇者と優しい歯車論【完】SS不定期更新

第42話

子犬のようにじゃれていたかと思えば、乳房の先端を甘噛をされて舌で転がされて、強く摘まれて。

リッタの身体は与えられるままに快感を拾ってしまう。

「ん…っ、そんな舐めるな……っ。」

「ここ、さっきよりずっとツンってしてるよ。」

「や、んっ、あぁ…。噛みながら…ンッ、喋らないで…。」

「あぁ、良いね。そっか。魔王の顔を崩せばあなたの本性が見られるのか。」

それからはひたすらリッタの身体を舌と指が這った。

時折吸い上げられて小さな痛みが走る。

それすらも甘美に感じられてしまう。

リッタの最後の一枚も脱がされてベッドに置かれた。

見下ろすウィードの喉仏が上下する。

「ここの毛、薄いね。俺と違う。柔らかい。」

「あぁ……っ。」

両足の間をふわふわと触れられて、鼓動が早まる。

ゆっくりと指がリッタの秘めた場所に進む。

待ちわびた快感に声が弾けて身体が震えた。

「な、何故さっきからそんなに触る？」

「触りたいから？」

「それじゃ人間…お前は、気持ちよくならないだろうに…。」

「感触が気持ちいい。それにすごく興奮する。」

ウィードはリッタに快感を求めていない。

魔族にとってこういった行為は己の欲求を満たすことに重点を置くから、ウィードがそうでないことに戸惑う。

「んっ…。あ、」

「感じてくれてるんだ。あぁ、すごいね。トロトロしてる。」

恍惚を浮かべて見下ろすウィードにリッタの肚が疼く。

ただ一方的に快感を与えられている事がどうにも落ち着かず、リッタは起き上がった。

「り、リッタ様？！」

寝間着のズボンを下ろす。

寝ようとしていたのかな？それなのに慌てて駆け付けた？

ウィードの格好からそんなことを想像して、緩む口元を下着から出した熱に寄せた。

人間の体温は高い。しかし触れた熱はどこよりも熱くてリッタは愛しく思う。

魔族とは形状にほとんど差異は無い。肌の色も含めて個体差と呼べる程度の事だったと内心安堵する。

「リッタ様、そんなこと…」

見開かれた目は、だけど確かに興奮していた。

見せ付けるように音を立てながらキスをする。

魔族とは多少異なれど個人差の範囲だろうと思う。

ウィードのものだから愛せるのかもしれない。

リッタは舐めあげながら婉美に微笑む。

「随分我慢が上手くなったな。あの夜は貪ったというのに。」

「や、それは…」

「ご褒美だ。」

リッタの官能的な唇が怒張するそれに再び触れたかと思ったら中に沈んでいく。

さらにはゆっくりと形を確かめるように舌を這わせながら扱かれる。