第33話
あ、あれ。なに私達見つめ合っちゃってんだろう?
急に恥ずかしくなって2回バチンバチンまばたきをした。
ほっぺのニキビとか恥ずかしいな。
なんて思った矢先
「りっちゃーん!ブルーレイの説明書どこかわかる?!同時録画のし方わかんない!あと5分なの!」
お約束のようなタイミングでなっちゃんが玄関のドアから顔を覗かせた。
お母さんからメッセージがきたものの、といったところのようだ。
「ごめんなさい。一昨日買ったばかりで…。」
「行ってあげて下さい。俺も帰ります。」
「はい。…おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
手を振った松尾くんが来た道を戻ろうとした時だった。
私はその背中へ声をかける。
「松尾くん!」
松尾くんは振り向いた。
メッセージで済むような事かもしれないし、私が言うのは駄目かもしれないけれど
ちゃんと伝えたい。
「今日、本当に嬉しかったです。菜津、本当はいつももっと…もう少し丸いというか。」
うんと一つ頷いてくれた松尾くんの目は優しく笑っている。
「私が言うのは失礼な事なんですけど。」
「言っちゃって下さい。」
気になるから、と笑うから私の気持ちも少し軽くなる。
「次は二人で行きたいです。」
俺もです。笑った松尾くんはそう答えてくれた。
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