第28話

三浦さんの予想は外れている。

だけど彼女の言葉に悪意はないし、そう心配してしまう程私達はアンバランスなのだろう。


彼はそんな人じゃありません!

そう言えなかった事が情けない。もしきちんと言えたら、三浦さんも安心したかもしれないのに。


帰り道も考えていた。


ストレートに言葉をくれるひとが頭を過る。

彼ならどう答えるんだろう?

どうしたら少しでも吊り合うようになれるだろう?


一週間前から連絡がプツリと途絶えた松尾くんは今、何をしているんだろう?



「こんばんは

今『OVERSLEEP』を聴きながら帰っています」


そうメッセージを送って、私は耳に流れ込んでくる彼のパンクロックにのって家を目指した。



…End.

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