第39話

「……本当に自殺ですか?」

「不自然な点も争った形跡も無いみたいだからな。」


ふぅと煙を吹き付けられた。臭ぇ。



「にしても、お前が若頭とはなぁ。」


もう連続爆弾事件は終わった。そう言いてぇんだろう。

俺を不躾に眺めて呟いた。



「世も末だって言いたいんでしょ?」

「いや。お前は他のとちょっとずれてっからなぁ。」


「嬉しくないっすね。何処がですか。」

「最初からだろ。」


遠い目は何処を見ていたのかわからないし、年寄りの昔話に付き合う気分でもない。



「ぶっ殺してやりたかったよな?」

「まぁ腹立ってはいますよ。痛かったしね。」


俺を油断させようとしやがって。

汚ねぇ奴だから気が抜けねぇ。



今だって、衝動任せに誰かを殴りたい程に憤ってる。

しかしそれを見せれば足元掬われかねない事を理解している。


感情的になったら負けだ。

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