#2
第28話
地味女の元を出た俺は慌ただしい日々に追われた。
ビルは修繕が決まり、『有限会社清和ローン』は4件隣りのビルに一時移転を余儀なくされ
組員の合同葬儀が誇示の為に盛大に執り行われた。
"北"…『仁道会 窪山組』の幹部も来たその場で指名された俺は『仁道会 侠和組 5代目若頭』に就任した。
ついでに言えば、爆弾事件の舞台となった『清和ローン』の社長を池島さんが務めていたから必然的に副社長の俺から副の文字が取られる事になった。
「てめぇ等は引き続き犯人を洗え。それと"北"に少しでもおかしな動きが見えたら報告しろ。噛み付いてこようモンなら多少手荒な真似をしても構わねぇ。」
指示をだす俺に口々に了解の返事をする部下を一瞥する。
若頭とは、組を束ねる実質的な権力を持つ立場だ。
組長の権堂さんに気に入られ、若い頃に"親子の盃を交わした"俺は、それにしても異例の出世を果たした事になる。
28の俺よりも殆んどの奴が年上だが、この時期に若頭なんて誰もが願い下げだろう事や、これまでの業績を考えれば
難癖付ける奴なんて居ねぇんだろう。
「ツトム、お疲れ様。」
多忙を掻い潜り、俺はクラブのママである
教会で電話を掛けた二人目だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます