第23話

6日目にして殆んど元通りになった視界で分かったのは

地味女は意外に綺麗な女だって事。


もっと地味かと思ったら、意外に長い睫毛や猫みたいな目は凛としている。鼻も低くはない。


よって


「いたっ!すみません!」

「…いや。あんたこそ大丈夫か?」


ますます残念な女だ。



額がぶつかって涙目の地味女は自分の額を押さえながら俺の額が腫れてないか触って確かめる。


そんなすぐに腫れねぇよ。

思ったが、必死さが面白いから黙っておく。



「謝ることねぇよ。こんなミイラに。」


おーおー、面倒くせぇ奴のお出ましだ。


れいじは地味女が好きらしい。俺に矢鱈と突っかかってきやがる。


俺は黒いスラックスに黒いボットーニ。

堅気に見えないだろう俺を睨むこいつは6歳だったか。



「みいらがおきてるー!」

「みーら、おっき!おはよ!」


『りっちゃんといさお』も手を繋いでやってきた。

二人は兄弟ではないらしいが見掛ける度に手を繋いでいる。


必ず来る3人はまた地味女に連れ戻された。

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