第15話

此処に運ばれて4日が経った、らしい。

寝てばっかの俺に時間の感覚は無い。



「どうですかー?」


ノックも無く入ってきた女は看護師の格好をしている。

地味女が俺を診せた『小金井医院』の看護師だ。


そいつはボストンバッグから治療道具を取り出した。前開きのシャツが看護師に開かれて傷が手当てされていく。



「この前も思ったけど、綺麗に筋肉ついてますよね。」


「そりゃどうも。」


「スポーツされてたんですか?」


「いや、特には。」


地味女の手当てより綺麗に付けられたガーゼや包帯に、軽そうな女だが腕前はプロだと感心。




「随分ご機嫌ですね。」


地味女は看護師が帰った後に窓を開けながら言う。

いつもとは違うトーンの低さに俺は気付かない。

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