第14話
チッ、来やがった。俺は鬱陶しさに顔を背けた。
すぐに地味女の声が飛んでくる。
「こらー、れいじくん、りっちゃん、いっくん、此処はいたいいたいお兄さんのお部屋です!」
あ?いたいいたいお兄さん?
「騒々しくてすみません。」
「……気にすんな。」
俺はガキに腹立てるような小さい男じゃない。
「謝るなよ、ミイラなんかに。」
「てめぇ、れいじ。お前の顔と名前はしっかり覚えたからな。」
「何か言いました?」
「いや?別に。」
この階には託児所が有る。
預けられているのは水商売の女のガキが殆んどだ。
暇だからと云う理由で地味女は託児所の方も手伝っているから、教会にガキが出入りしている。
専ら俺は『みいら』と呼ばれていて
普通に来るガキやらドアの隙間から覗いてきゃっきゃしてるガキやらで
静かではない。
地味女はガキを連れて出ていった。
この場所は御咎町ではないような気にさせられる。
平和とか善意とか薄気味悪い言葉がぴったりだ。
吐き気がする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます