第12話

女は地味な色の服を着ていて、甲斐甲斐しく俺の世話をする。

俺の周りに居る女、だけでなく男で考えてみても、こいつは珍しい人種だ。


世話になっててこういうのもなんだが

血と煤だるま状態の男、しかも出てきたビルからヤクザと薄々でも分かったなら

関わろうなんて思わねぇだろ。


あぁ。"隣人愛"ってやつか?

マジそんけー。




組の状況把握や運送屋の特定を急く気持ちも有るには有るが

動けねぇから考えるのは止めにした。

池島さんが居れば問題無い。



ハラワタ煮え繰り返ってはいるが、取り敢えず


問題はこっちだ。




「うんちも大丈夫!紙おむつも簡易トイレも有りますから!」

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