第7話
商品の品質チェックを済ませれば、池島さんに呼び出された。
池島さんは、ドンパチ通りの南側にシマを張る『仁道会 侠和組』の若頭で、俺の兄貴分だ。
補佐を置いていないが、大抵その役割を俺が果たしている。
「臭ぇなオメェ。」
オイルライターの火を近付けると、池島さんが煙草に火を点けた。それでこの一言。
抱いた女の香水の臭いだろう。
「糸田ンとこに新しく入った女です。」
「聞いてねぇよ。」
「はは。」
「で?どうだった?」
「くく。あれは駄目。ガバガバでした。尺八はまぁまぁかな。」
「はっ。」
後部座席のドアを開けて池島さんを載せた俺は、この縦社会には存外順応している。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます