35話

「このデザイン素敵」



確かに真希ちゃんが好きそうなデザイン。

ハート型のベキリーブルーガーネット。


ブルーガーネットの上に、小さなダイヤが付いているからキラキラしてる。


「確かに可愛いね、良いと思うよ」


「試着致しますか?」


「あ、お願いします。優大君も見て」


「うん、いいよ。真希ちゃんに絶対似合う」



彼女の首元に、ベキリーブルーガーネットが輝いていて、思わずドキドキしてしまった。


僕の心が撃ち抜かれてしまいそうなくらい。


「綺麗だ」


「うん、ベキリーブルーガーネット素敵だよね。デザインも結構好き。これいいかも」


ブルーガーネットも美しいけど、何より真希ちゃんが綺麗で、思わず見惚れてしまいそうになった。


「真希ちゃん、もし、これで良かったらプレゼントさせて」


「え!でも、えっと、お値段が……」


「遠慮しないで、凄く似合ってるから。これが良いなら買ってあげる」


「う、うん。ありがとう。このネックレスが良いな」


「うん、支払いお願いします」


「かしこまりました。そのまま付けて行かれますか? 」


「どうする?真希ちゃん、付けていく? 」


「そうしようかな」


「分かった。凄く似合ってるよ。ちょっと待ってて、支払いして来るから」


「本当にありがとう、優大君。うん、待ってるね」


真希ちゃんに寄り添うような、可愛いけれど綺麗なデザイン。


似合うお守りが見つかって良かった。

きっと彼女を大切に護ってくれるはず。





居酒屋の時みたいに、何度もお礼を言ってくれた。

そういう所、律儀だよな。いつもちゃんとしてる。


可愛いデザインも気に入ってるし大切にしたいって。


ベキリーブルーガーネットは持っていなかった様で、嬉しいみたい。


お店の中と外では色が違って見えたから、彼女に聞いてみると、カラーチェンジしているんだよと言っていた。そんなのもあるんだな、知らなかった。


光の具合で変わるなんて珍しい。それに妖艶さも感じる。彼女が大人っぽく見える。

いつもはどちらかといえばあどけない感じの真希ちゃん。


まだ嬉しそうな顔してる。喜んでくれて良かった。

凄く似合うんだよね。ハート型だけど青色だから甘過ぎず上品。綺麗なだけじゃない。



イタリアンレストランで食事をして、楽しくお喋りしてる途中、真希ちゃんが何か思い出したらしい。


「実は優大君にプレゼントを用意してるんだ。はい、どうぞ」


丁寧な包装がされているプレゼントをもらった。

表面が赤いチェック模様でリボンが緑。

クリスマスカラーだ。



まさか貰えると思ってなかったから、嬉し過ぎる。なんだろう?


「ありがとう。今、開けて良い?」


「開けていいよ」



開けてみると、水晶のブレスレットと、グリーンの石が付いたかっこいいネックレスが入っていた。


「水晶はね、レムリアン水晶っていうの。インスピレーションが湧く様にってお守りを選んだんだ。あと、緑の石のネックレスは、デマントイドガーネットだよ」


「めちゃくちゃ嬉しい。ありがとう、真希ちゃん。どっちも大切にする」


「良かった。実は男性にプレゼントするの、初めてだったから気に入ってもらえるか不安だったの」


「センスめちゃくちゃ良いね。水晶のブレスはお守りになってくれそうだし、ガーネットのネックレス、僕はこういうデザインがあるなんて、知らなかった。シンプルで、洗練されててかっこいい」


星が好きだから分かるよ。これ、水瓶座の形のネックレスだ。


僕と真希ちゃんの星座。


デマントイドガーネットがキラキラしてる。あまりこういうの付けないからなんか新鮮だ。


「本当? 一生懸命選んだから、そう言ってくれるの嬉しい」


真希ちゃんが微笑んでる。可愛い。

その表情が好き。

僕もつられて、笑顔になっちゃう。




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