34話

「優大君。どうしたの」


ぼーっとしていた。真希ちゃんが心配そうに見ている。綺麗な目。真希ちゃんのエンジェルラダークォーツを思い出す。透明感のあるあの感じ。


少し、考えてしまった。


臆病になるなんて。

自信ありげな自分はどこへ行ってしまったのか。

彼女と一緒だと、思わず素の自分が出てしまいそうになる。だから、もっと上手く隠さないと。


本当の僕なんて見せたくない、見せられない。


多分真希ちゃんは素直すぎるんだ。


だから、つられてしまうんだ 


尚更上手く作らないと。


大丈夫。きっと好きになってもらえる。

頑張らないと。本当に気合い入れないとな。


今日こそ恋愛感情を抱かせて、好きになってもらう。


ここで上手くやらないでどうするんだ。

男なんだからリードしなきゃな。



「ううん何でもないよ。行こうか姫」


「そうだね、王子。行こ行こ!」


疲れさせないように僕は歩く速度をなるべく合わせ、道路側についた。


素敵なのが見つかると良いんだけどな。

きっと大切にしてくれるはず。

どんな表情で喜んでくれるんだろうか。

想像したら、あたたかい気持ちになる。


今日1日楽しませたい。


煌びやかで豪華なジュエリーが表に展示されてる。


お店に入ろうとすると真希ちゃんが、ジュエリー店に入るの初めてだから緊張すると不安気。


だから、大丈夫だよ。好きなもの選んでいいからね。


僕の気持ちに遠慮なんてしないでと言葉をかけた。そうしたら、ありがとうって微笑んでくれたから少しは安心させられたかな。



お店に入ると若い女性の店員が対応してくれた。


「いらっしゃいませ」


「プレゼントなんですが、色々見せて頂けませんか?」


「クリスマスプレゼントですね。かしこまりました。こちら等がおすすめです。他にもお見せしますので、お声がけください」


透明なダイヤモンドが付いたネックレスやリングが置いてあるけど、どれもなんか違う気がする。


「真希ちゃん、良いのあった? 」


「ダイヤモンドってキラキラで綺麗だけど、他のものも見てみたい」


やっぱり、違うよね。ダイヤモンドではなく他のだとしたら、誕生石のガーネットとか?


「あの、彼女の誕生石がガーネットなんですがどこにありますか」



「こちらでこざいます。特にベキリーブルーガーネットはいかかでしょうか」



あ、真希ちゃんがこの前、居酒屋で話してた青のガーネットってこれじゃないか?


「あ、凄く素敵。私の好きな青」


良かった、いい感じだ。

ベキリーブルーガーネットなら間違いなく真希ちゃんは好きだ。


真希ちゃんに似合うデザインはあるかな。

もう少し調べとけば良かったかもしれない。

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