ー優大ー好きだよ
32話
今日は真希ちゃんとデートだ。
僕、凄く浮かれてる。
だって待ちきれなくて、約束の2時間前に来てしまった。
駅前の広場に居る。
一応芸能人だから、マスクと丸眼鏡を身につけてる。格好はあまり目立たないように、黒のゆったりしたニットカーディガンに、ネイビーのデニムパンツを合わせた。靴はドレスシューズ。
まあ、落ち着いた雰囲気にしたかったんだよね。
外は本格的に寒い。カラフルなイルミネーションが、ただでさえ上がってる気分に、きらめきをプラスしてくれる。巨大なクリスマスツリーのてっぺんにはゴールドのスターがついてる。
僕は星が好き。尖ってるから。僕の人間性も尖っていきたいし、その方がかっこいいよね。
待ってるのに退屈しないのは、ツリーの飾り1つ1つが可愛らしいから。
プレゼントの箱、ミニサンタとトナカイ人形。
オーナメントボールが赤、緑、青、金色、銀色。
長いモールがマフラーみたい。ツリーも寒いのかもね。
見ていて飽きないけど、やっぱり待ちきれなくなるくらいワクワクしてる。
良いお守りが見つかるかな。
真希ちゃんに似合う綺麗なのがあれば良いな。
何となく、好きな色だって言ってた青の石が素敵なんじゃないかと思ったけど。
彼女の好きなものが1番だよね。
仕事があまり上手くいってないみたいだから、息抜きがてらね。
会えるのを本当に楽しみにしてたんだ。
新しいお守りを付けてくれれば、あっくんが宿ってるブレスレットを身につける必要がなくなるはず。
その方が好都合だ。真希ちゃんを奪える。
「おまたせ!」
1時間くらい経って、やっと来てくれた。
いつもと違う髪型だ。髪巻いてるし、おさげツインテールだ。
服装も凄くお洒落で、結構好みな感じ。ガーリーな雰囲気で良いね。
「めちゃくちゃ可愛い!コーディネート紹介してよ」
「うんと、芸術家みたいなベレー帽でしょ。カーディガンボレロ。リボン付きブラウス。ラッフルフリルスカートで、シューズはベルト付きパンプス!褒めてくれてありがとう。優大くん」
冬の季節に合うような色味をした赤いベレー帽。
白のカーディガンボレロ、ブラウスも白い。
なんだか雪みたいな感じで淡い。
赤いチェックとピンクの無地を合わせたラッフルフリルスカート。 リボンがまるでプレゼント箱を思い出すような可愛さ。
つま先の丸い厚底パンプスはベルトが付いていてブラックだから、シックさが加わるアクセントだね。
「まさかもう居るとは思わなかった。ごめんね、待った?早めにきたんだけど」
やばい、可愛すぎてついジロジロ見てしまった。
返事、返事を自然にしなきゃ。
顔にやけてないかな。
「ううん、と言いたい所だけど楽しみすぎて早くきちゃったんだ。約束の2時間前にね」
「私も楽しみだったから1時間前に来たんだけどな。寒かったよね。待たせてごめんなさい」
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