ー真希ー友達

31話

私は優大君と友達になった。

居酒屋の帰り、少し酔ってたからその場のノリで手を繋いだりしたけど、付き合ってない。


沢山話したな。いつぶりだろ。喋り過ぎたのか少し疲れちゃったくらいだし。



また天然石の話が出来たらいいな。地元も一緒だし、盛り上がるから楽しい。


こんなに仲良くなれるなんて嬉しい。

心が何だかキラキラして楽しい気分。



次はいつ会えるかな。


期待してしまう私。


浮かれ過ぎかな。



それにしても、藍来ってば意味が分からないよ。

優大君を悪く言うなんて、酷い。

きっと勘違いしてるんだろうから、反省してくれると良いんだけど。

仲が悪いわけじゃないはず。だからきっと大丈夫。


あと、幽霊なのに私が望むなら恋人になるって。


何で簡単にああ言えるのか分からない。


でも感情にまかせて否定なんてしたくなかった。


あの時、藍来の言葉を受け入れたら良かったのかな。


好きだから、いっそ本当に恋人になってくれたらなんて。


いやいや。これ以上望むなんていけないよね。



今日何度めか分からない、ため息をついた。





今日も仕事がなんだか上手くいかない。

ミスはしてないけれど、中々進まない気がする。

やっぱり藍来が居ないから?


いやいや、ネガティブは良くない。

私1人だけでもやらないと。目指せ完璧なキャリアウーマン。



頑張ってやれば、絶対大丈夫。

ガッツポーズをして張り切った。よし、やるぞ!






……結局、今日は1時間残業だった。


やっぱり、居てくれないと調子狂うな。

でも、反省してもらわなくちゃ。


藍来が悪いんだから、暫くはブレスレットを身につけるのは止めよう。


2、3日したら、彼も落ち着くでしょう。


帰りの電車でメッセージアプリを開くと、優大君から1件来てた。


『仕事 お疲れ様』


私は、お疲れ様。今日も残業だったよ。藍来が居ないから仕事が進まない気がする。と送った。


直ぐに返事が来た。


『大変だったね。あっくん何で一緒じゃないの? 』



喧嘩したから。暫く距離を置いてると書いて返信した。5分くらいで返事が来た。


『喧嘩してるんだ どうして? 大丈夫? 』


言えない。優大君を悪く言ってたなんて。


心配してくれる優大君はやっぱり優しい。

一体どこが性格悪いんだろう。分からない。

藍来はきっと誤解をしてるのかも。


『ちょっと色々あって しばらくはブレスレットを身に付けられないの お守りが無いと何か調子狂うんだよね』


すぐ来た返事に私は思わず声を上げそうになった。

電車内にも関わらず。だって……



『もし 真希ちゃんが良かったら 新しいお守り買わない? プレゼントしたいな クリスマスも近いからさ』


ってメッセージだったから。

びっくりしないわけない。


気持ちはめちゃくちゃ嬉しいけれど、遠慮しなきゃ。

きっと気を遣わせてしまってる。


お守りなしじゃ、どうにも出来ない人だと思われたくない。おまじないだけで全てが何とかなるなら人間、苦労しないから。


気の持ちようだよね。悪い方に引っ張られるのは藍来が居ないからじゃない。

私が弱いせいだ。


返事を書こうとしたら、直ぐにメッセージが来て


『あ、遠慮はなしね 僕の気持ちだから 絶対に受け取ってほしいな』


見透かされてるんじゃないかって思った。

胸の鼓動が高鳴る。

これって、デートのお誘いかな?

いや、友達だから遊びに行く。だよね。

あまり断るのも失礼かな。

ここまで言ってくれてるんだし、お言葉に甘えちゃえ。


素直に喜ぶのは大事だよね。優大君だってその方が嬉しいだろうから。


私、いま絶対に嬉しい顔してる。

口角が上がってるの。



『ありがとう じゃあいつにしよっか』


ゆっくり選ぶ時間、必要だよね。日曜日とかなら良いかもしれないな。


優大君は返信がいつも早い。

咲き誇って群青が活動してないから、暇が多いって言ってた。

たまに返事が遅い時もあるけどね。

そういう時は、きっと忙しいんだなと思ってる。


『真希ちゃんに合わせるけど 来週辺りどうかな。土日空いてるんだ』


それならやっぱり日曜日が良いよね。


日曜日にしよう、何時からにする?

メッセージを送ると


『じゃあ、真希ちゃんが良ければ15時くらいにしない?』


と返ってきたので、うん。いいよ。その時間で大丈夫。楽しみにしてると返事をしといた。


わあ凄く楽しみ! 明日から仕事、頑張れそう。

って、いつも頑張らなきゃだよね。


そうだ、私もプレゼントを渡そう。

何にしようかな。ワクワクしちゃう。

男性にプレゼントなんて、1度もないからな。

どんなのが良いか。


日曜日までに決めておかなくちゃね。


でも男性へのプレゼントって何にしたらいいの?


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