第9話

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「 あなた。また酔ってらっしゃるのね.」

「ああ。それに抱いて来たよ。」


そんな事を普通妻に言おうものなら、驚愕し、怒り、泣き…感情を俺にぶつけるだろう。



「そうでしたの.」


狂っている、君。



「…他に何かないのかい?」


狂っている、俺。



この苛立ちなんて、彼女は分かる筈も無く、いいえと答えるのみ。



「もっと、…こうさ。感情を表わせないかな?」


その真意を汲み取ろうとするミハネ。


嗚呼。余計に俺が惨めじゃないか。



「いや、良いよ。すまなかったね。」


俺は、これ以上惨めったらしくなりたくはないから、笑って見せる。



それはそれは何でもない事の様に。

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