第91話
「……えーっと。どう?お店には慣れてきた?」
何だか黙って歩くのも忍びなり、当たり障りのない会話を私からもしてみる。
お父さんから“仲良くしろ”と言われたからってわけじゃないけど、お店で働いている以上は仲間だし。
愛想悪く振る舞うのは何か違う気がして。
「はい。おかげさまで」
それに応える筒地君の言葉は簡易的なモノだった。
普段、作業場にいるときは、もっと華やかに話しているのを思うと、緊張しているのは筒地君も同じなのだろう。
でも、やけに声が弾んでる。
足取りも軽いし。
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