第87話
「進歩しただろ」
「したした。驚くくらい」
「だから別に焦る必要はねーぞ。勝負と言っても俺にとっちゃ修行の一環みたいなモノだから」
「……うん」
「双葉が今やる事は、そうやって美味いもんを食べて笑う。それだけだ」
だから大人しくしとけよ〜、と落ち着きを取り戻した私に言い聞かせ、皐月は作業場の暖簾を上げて鼻で笑った。
“鬼嫁予備軍”って、ちゃっかり軽口まで叩いて店の奥に去っていく。
もう!またバカにして!と思ったが、不思議と腹は立たない。
心がストンと落ち着いた。
全身が琥珀糖のキラキラに包まれていくみたいに、ワクワクした気持ちで溢れている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます