第86話
「それ。やっと親父さんから合格を貰った」
「凄いじゃん。作れるお菓子、増えたね」
「まぁ、毎日テストして貰ってるからな」
「嘘⁉毎日?」
「まぁな」
思いがけない発言に目を見開くと、皐月はニッと得意げに唇の端を釣り上げた。
仕事の後とか合間に時間を貰って、ちょくちょくコツを教えて貰ってる……、と楽しそうに。
思いの外、成長のスピードが早いと思ったら理由はそれでか……。
ストイックに仕事をする方だとは思ってたけど、まさか他の業務の間にも修行を積んでいたなんて。
そりゃ夫婦の時間も持てないはずだ。
本当に時間がない。
しかも、お父さん達もそれに毎日付き合っているのかと思ったら素直に驚き。
口では“ヒヨッコ”だの“まだまだ”だの言いつつも、皐月の腕を見込んでかなり期待しているってことだ。
早く一人前になって欲しい、って切なる願い。
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