第81話

「〆切は二週間後。真心を込めて作れ」


「より良い商品を考えた方が二号店を任せて貰える、って認識でいいですか?」


「あぁ。それで構わん」




確かめるように聞いた筒地君にお祖父ちゃんが大真面目な顔で頷く。



皐月が勝つと信じているのか、勝てなきゃそれまでと思っているのか、どちらか分からないが覚悟を決めている顔だ。




お祖父ちゃんは、そこら辺、情よりも実力主義だから、間違いなくその結果によって答えが決まる。



皐月は心配するなと言ってたけど、実際のところはどうだろう……。



筒地君は新しいモノを作り出すのが得意そうだし。



私は皐月の作ったお菓子の方が好きだけど、お祖父ちゃんがどちらを気に入るかは分からない。



言ってみればプチコンテストみたいなモノだ。



うちのお店が主催の。

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