第79話
その後、お風呂から出ても寝る前になっても皐月はずっと変わらず、ご機嫌だった。
この間、手を繋いで帰ったけど、そのときと同じくらい今日の私たちは距離が近かった。
「……寝るの?」
「あぁ」
しかし、それでも一人で寝室へ行ってしまうんだから、やっぱり皐月にとって私は嫁というよりも相棒って感じなのかも知れない。
念のために塗ったリップは今日も一切取れることがないまま。
今日も私の唇を孤独に潤している。
あぁ、その気って結構大事だ。
お互いがその気にならなきゃ恋愛って成り立たないから。
私だけ必死に頑張ったって意味がない。
相手が振り向いてくれて、やっと初めて前に進めるのだ……、と一人寂しく布団に潜りながら思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます