第69話

お祖母ちゃんったら、いくら何でも疑いすぎだ。


真面目に働いてくれている二人に対して失礼すぎる。




そりゃ確かに、私も気にはなっていたよ。


皐月ったら野菊ちゃんに対して、かなり優しいし。


私なんかよりも、ずっと仲良さそうにしている。



それに、あの短気な皐月が失敗しても怒らずにフォローまで入れてあげるなんて、いったい何事⁉と思いながら毎日見てた。



でも、だからって不倫はあり得ない。



そこはもう絶対に信じてる。




「お祖母ちゃん、ボケてきたんじゃない?」


「さぁ……。そうかもなぁ。やたらと筒地と双葉の組み合わせをゴリ押ししてたし……」


「えぇ。絶対にそうよ。そうとしか思えない」




だったら今すぐ病院に電話しなきゃ!と電話の受話器を手に取る。



そしたら「とにかく落ち着け」と皐月に止められた。



もう病院は開いてないから、ってそういう問題じゃない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る