第55話
「はぁ⁉どうして筒地君に任すの?皐月がいるのに!」
隣にいた双葉も表情を一変させて親父さんに詰め寄る。
余程、納得がいかないのかキッと眉を釣り上げてえらい剣幕だ。
かなり怒ってる。
「そりゃおめぇ、皐月君は本店を継ぐんだから残った方がいいだろ」
「そんなの時がくれば交代すればいいだけの話でしょう!」
「そうは言ってもなぁ。時間をかけて作り出す店の色ってもんがあるじゃねーか」
「なら、お父さんかお祖父ちゃんが二号店に行けばいいじゃない」
「バカを言うな。俺はこっちを離れられないし、祖父さんだって歳だ。それに皐月君が本店を継いだら二号店を継ぐヤツだって必要だから……」
「そんなの私がいっぱい産むわよ!」
状況を説明する親父さんの声を押し退け、双葉が我慢ならないと言いたげに叫ぶ。
凄まじい剣幕で詰め寄る双葉に親父さんもタジタジ。
片付けをしていたジイちゃんも驚いた顔で振り返る。
隣で聞いていた俺も驚きで目が点。
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