第43話
大体、双葉はわかってない。
いったい俺が何のために必死こいて毎日ここまで頑張ってるのか。
全部が全部、お前と一緒にいるためなんだからな。
双葉が店を継ぐって言うから俺だって跡継ぎになるために真剣だし。
“半端もんに店はやらん”って親父さんが言うから、一人前って認めて貰いたくて頑張ってんだよ。こっちは。
そりゃ好きかと聞かれたら正直わかんなかったよ。
結婚するまでは。
俺はただ、俺の作ったお菓子を食べてお前が笑ってりゃ、それで良かった。
だけど、それを永遠にしたいと思ったらお前の隣に立つしかなくて。
だったら、まぁ、別に結婚って形にしてもいいかな……と思ったわけで。
思い切って言ってみれば案外満更でもない顔で頷いたから。
ああ、じゃあ、大切にしねーとな、と思ったわけよ。
そう思ったら、すげぇしっくりくる自分がいて。
こいつと一生付き合うのか……と考えたら、ずっと感じていた双葉に対するモヤモヤが消えて、妙にスッキリした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます