第41話

「野菊ちゃん……」


「あー、いいわ。俺が教えるから」


「え、でも」


「いいから向こう行ってろ。お前は他にもやることがあるだろ」




微妙な顔をする双葉の目を見てキッパリとした口調で言った。



野菊ちゃんにやらせたら店の商品を全滅させられる未来しか見えないし。



双葉は他にもやることが沢山あるはずだから。




そもそも俺は双葉の手伝いをするために表へ出てきたんだしな。



こっちとしては気を使ったつもり。




「……あっそ」




だが、双葉はそれが気に入らなかったらしい。



ムッとした顔を浮かべると真ん丸な目で俺を睨んできた。



かと思ったら、レジの方に引っ込み、物凄く居心地が悪そうに俯き出す。




おいおい、何だよ。その顔……。



まさか、俺に邪魔扱いをされたとか思ってんじゃねぇだろうな?



思ってもみなかった反応を返されて普通にビビる。



無言のまま、ひたすらガン見。

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