第40話

「ごめん、皐月。代わるよ」




そうこうしているうちに双葉が花瓶の片付けを終えて傍に寄ってきた。



苛立ちがピークにきていただけに救世主に見える。




「えぇ…、代わっちゃうんですか?」


「うん。皐月は他にやらなきゃイケないこともあるだろうし」


「そんな〜」




しかし、交代を申し出た双葉に野菊ちゃんが不満げに口を尖らせる。




それも色々と言い訳を述べて凄い渋りようだ。



別に誰が教えようが一緒だろうに。


いったい、双葉に教えて貰うことの何がそんなに不満なのかわかんねぇ。



それよりも双葉に任せると野菊ちゃんに作業をやらせそうで不安だ。



そうなったら、また店のお菓子をダメにされるだろ。



これ以上、在庫を削られたら、さすがに厳しい。



絶対に足りなくなる。



だったら俺が教えた方がいいか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る