第24話

「毎日、頑張ってるんだね」


「そりゃ早く一人前になりたいし」


「朝から晩まで大変じゃない?」


「全然。むしろ後継ぎとして店に立つからには、もっとしっかり努力しないと」


「おー。そういうとこ偉いよね。尊敬する」





すっかり機嫌も良くなり、皐月の肩を叩きながら笑みを零す。



自分でも珍しいと思うが、気に掛けて貰ったことが嬉しくて笑みが止まらない。




だって私、皐月のそういう仕事熱心なところが結構好きだから。


そこはもう、徹底的に褒めちぎりたい。





「そうか?別に当たり前のことだろ」


「当たり前のことじゃないよ。ココまでくるのに相当、努力がいるもん」


「うん。まぁ……。日数は結構かかったな」


「ね。お店のことも大切にしてくれてるし、いつも感謝してる」


「何だそれ。褒めすぎだろ」




そんな私に皐月は恥ずかしそうだ。



落ち着かない様子で首の裏を手で擦ると、私の頭を盆でポンっと叩き、作業場の方に戻っていった。



去っていく背中を見れば、鼻歌でも歌い出しそうな勢い。



しゃきっとしちゃって頗る機嫌がいい。



ツンデレか!と心の中でツッコむ。

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