第23話

「美味しい!皐月ってば天才っ」


「まぁ、一応、親父さんにも合格は貰ったしな」


「努力の賜物だね」




テンションが上がって素直に褒めたら、皐月は照れくさそうに鼻を指で擦った。



ソワソワしちゃって、褒められると恥ずかしがるところは昔から変わっていないみたいだ。



私も私で、お菓子を食べるとコロッと機嫌が良くなるところは変わってないけど。




あ、だからいつも作ったお菓子を私のところに持ってきてくれるのかな?



こうしていつも味見だとか、お父さんに認められたとか言っては、手作りの和菓子を持ってきてくれる。



それこそ、白うさぎの練りきりに寒椿の饅頭、雪だるまの大福。



他にもいろいろ。たくさん。


上手くできると今日みたいに食べさせてくれた。




と、いうことは……。なんだ。皐月も意外と私のことを頭の片隅に入れてくれてたんだ?



そう思うと嬉しい。


心がポカポカと温かくなる。

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