第25話

それにしたって、こんなに穏やかに皐月と話したのなんて久しぶりだ。



いつ以来だっけ?


一ヶ月?三ヶ月?



もしかしたら、結婚式以来かも知れない。



だからかな……。


心臓が煩い。


無駄に意識してしまう。




生娘でもなければ、人の妻でもあるのに、たかが話し掛けられたくらいで動揺して滑稽な。



そうは思うが思考というのは厄介なもので、自分で止めようと思ってもなかなか止まらない。



ブレーキの壊れた自転車のよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る