第82話
「あ、そういや、これ届いたから」
テーブルの前に座って数分。
お茶を淹れて差し出したら聖也君は紙袋から大量の書類や冊子を取り出した。
チャペル、ドレス、タキシード、披露宴会場、ホテル、結婚式の写真が満載のパンフレット。
式場の資料が山ほど。
ココが良いとかそれが良いとか前に雑誌で見ていたところの。
テーブルに乗り切らずに床まで目の前が白い何かで溢れ返る。
「……取り寄せてくれたんだ?」
「あぁ。そろそろ場所とか決めた方がいいと思って」
「そっか…」
「ドコが良い?」
聖也君のアーモンドアイが優しくあたしの顔を見つめる。
緩く口に弧を描いて穏やかな笑顔。
さっきのことなんて無かったかのように機嫌が良さそうに笑っている。
あたし達の未来だけをただ見つめて。
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