第83話
「そうだね…。ドコにしよっか」
白無垢の眩しさに当てられながら資料を1枚手に取ってぼーっと見つめる。
分かんない。
聖也君の心の中が。
そんな愛おしそうな顔であたしを見つめるくせに、どうして浮気なんかしたの。
結婚しよう、一生一緒に居たい、って言ってくれたのに、なんで傍に居られなくなるようなことをしたの。
10年。1度も裏切らずに真っ直ぐあたしだけを見ていてくれたじゃない。
なのに、なんで結婚しようって決まったタイミングでそんな…。
言った後に、頷いた後に、裏切るなんて酷すぎる。
やっぱり本当は好きじゃないんじゃない?
何かもう、離れるのが寂しいとか一緒に居ないと違和感とか、そういう情か愛情か見分けのつきにくいモノが欠片のような恋愛感情とゴチャ混ぜになっているだけで。
周りも結婚しだしたし、自分達もするかなって軽いノリで流されちゃったとか。
聖也君なら有り得る。
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