第50話

本当に共犯者の気分だ。


バレやしないかとヒヤヒヤしている反面、何か特別な親近感みたいなモノもある。



そんなの持ってちゃ教師としてはダメなんだろうけど、あの日は本当に追い詰められた気分だったから。


やっぱり救われた気持ちが強い。




「先生って真面目か不真面目か分かんないよね」


「何言ってんの。あたしは真面目よ」


「でも、時々すげぇ不真面目じゃん」



次のポスターを張ってたら東郷がクスクス笑いながら言った。


楽しそうに笑っちゃって何か思い出でもあるみたい。



そりゃまぁ、東郷との関係を考えると不真面目だけど、普段は真面目なはず。



それも学校じゃ2割増し。


なんせ、平凡な人間だし。

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