第49話

東郷は3ー1の生徒で学校では静か過ぎず騒ぎ過ぎず、普通の生徒らしく過ごしているようだった。



悪目立ちする訳でもなく何か抜きん出ている訳でもない。


良くも悪くも普通の生徒。



生徒数も多くまだ担任も持てていない立場のあたしは、全校生徒を覚えきれていなかったらしい。


時々、あたしと話してたと言われたが、あたしの記憶に東郷の姿は無かった。



どちらかと言うと女子と話す事が多かったし、やる事も多くて毎日必死。



話し掛けてくる生徒は沢山居て、毎年卒業と入学を繰り返すから顔ぶれがガラリと変わったりもする。


流石に担当の学年の生徒は覚えているけど、別の学年の生徒は制服を着てなきゃ気付かないこともあった。


印象が変わって見えるし。



東郷もそう。


ただ、それは以前までの話。


やっぱり今は誰よりも目に映る。

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