第23話

「可愛い…、楓さん」



そんなあたしに東郷は甘ったるいキスをした。


心を乱すような優しい視線をあたしに向けて。


指を絡め取るように手を繋ぎながら。


 

「でも、ダメ。もっと気持ち良くなって」と妖艶な微笑を浮かべて呟いた。




振り回されちゃって、もうどっちが年上だか分かんない。



まぁ、何だかんだ言いつつも少し穏やかな動きに変えてくれたところを見ると、根は優しいのかなと思う。

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