第18話

初対面の一晩限りの男に救いを感じるなんてバカげてる。


しかも7歳も年下。


あたしが高校生の時にランドセルを背負しょっていたような子だ。



そんな見ず知らずの若い男に慰めるようにキスをされて乾いた心を潤している。


ひび割れていた心を修復するように上から色を塗り潰して。



本当にバカ。


本当にバカげてると思う。


なのに、そのバカさが尊く感じるのはどうしてだろう。




「裏切りたくなるくらい酷い事をされた?」


「うん」


「そうやって泣くほど?」


「…うん」


「じゃあ、もう罪悪感は捨てていいよ」


「捨てていいって…」


「だってそうじゃん。そこまで追い詰めたその男が悪いんだよ」




そんな台詞と共に腕を押さえられて中に突っ込まれた。


隙を突いて結構強引に。

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