第6話

「別に相手してもいいけど。素性も知らない俺と寝て後悔しない?」


「しない」


「そっか。分かった。いいよ。お姉さん割と俺の好みだし」


「いいの?」


「うん。それにチャンスは逃さない主義だから。俺」




綿菓子みたいな甘い笑顔を振り撒いて青年はあたしの手を掴んだ。



思ってたよりノリ気で手を引かれ、少し困惑しつつも愛想の良い笑みを青年に向ける。




何かちょっと力が強い。



しかもチャンスは逃さない主義…?何それ?


結構慣れてる?



まぁ、何だっていいや。もう。


とにかく全部塗り潰してしまいたい。



そう思う一心で、出会ったばかりの青年に手を引かれて近場のホテルに入っていく。

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