第71話

しかし、そうやって言わずとも空気を読んだ言動をしてくるんだから、兄貴はずる賢い。


さすが、渡り鳥のように色んな女の子の隣を渡り歩いてる男。



道理であれだけコロコロ彼女が入れ替わっても、修羅場にならずに過ごせているわけだ。



会わされる側のコチラは、毎度“初めまして”ばかりでプチ修羅場だけども。




「焦ったわ〜」 


「ありがとう、治郎君」


「しかし、なんで兄貴がココにいるの?」




レジを済ませ、店を出て直ぐ。


お礼を言う村田の隣で、さっきからずっと気になっていたことを兄貴に尋ねる。



居てくれて助かったけど、いきなり現れるから本当にビックリしたんだもん。



兄貴の家はココから車で2時間は離れてるし。


偶然会うっていうのは、まずあり得ないから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る