第54話

「じゃあ、2人で管理すれば?」


「半分こか」


「ありだな」




宥めるように提案した村田に、光弥と志朗は名案だとでも言いたげに目を輝かせた。



一緒に管理すれば絶対に安心だしな……って納得した様子で頷き合ってる。



別に兄貴たちなら1人であろうと安全には変わりないと思うが、彼らの中では1番しっくりくる答えだったらしい。




「別れたら悩まなくて済むのに」


「ホント、とっとと別れて次に行こうぜ。次」


「まぁまぁ、花音には花音の考えがあるんでしょ」


「アホ。そこをぶち壊すのが村田に与えられた使命なんだぞ」


「そうだ。このバカを救える勇者は、お前しかいないんだから」




いつもの如く、兄貴たちが手を取り合って村田に無茶振りをする。



妹を助けてくれ!ってRPGゲームの登場人物ゴッコまで始めて、随分と楽しそう。



村田も慣れっこだから軽く笑ってスルーだ。


はいはい、って感じ。

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