第53話

「いいぞ。俺が持ってることにしよう」


「ばーか。そこは光弥より俺が持ってることにした方がいいって」


「何言ってんだ。お前に任せたら、それを餌に自分のところに来させるだろ」


「それを言うなら光弥だって。持っていくだとか言って、どうにかして会おうとするだろ」





買い出しから帰ってきた光弥と志朗が村田の肩に腕を絡ませ、ギャーギャーと言い合う。



持っていた買い物袋をテーブルの上に放り出して、たこ焼きよりも卒アルの保管権争いに夢中だ。


 

どうやって貴ちゃんを成敗するかって話にまで発展してる。



見せる気もないのに呼び出す気、満々になっちゃって。



強引というか血の気が多い。


これがあるからこそ貴ちゃんは兄貴が苦手だとも言える。




傍で聞いてた村田も苦笑い。

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