第48話
「えぇっ?言ってもいいの?」
「いいよ」
「なんで?」
「事実だから」
驚いて声がひっくり返った私に、村田はあっさりとした口調で返してきた。
おぅ。確かに事実だけども。
そんなあっさりと許可を出しちゃっていいのかね?
これで私が本当に喋ったら間違いなく兄貴たちから、おちょくられまくるのに。
「本当に言っちゃっていいの?」
「だって隠すのってしんどいでしょ」
「ほー。さすが村田。自分の行動に責任が取れる男」
「責任が取れてるかは怪しいところだけどね」
しみじみと呟いた私に村田は呆れたように言った。
村田ったら本当に人がいい。
からかわれる未来よりも相手を思いやるなんて。
しかし、バレても別に構わないと思ったら気が楽。
心の中に潜んでいたモヤモヤがスッキリと消え去った。
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