兄貴

第40話

「うーわ。また派手にやられたなぁ……」



次の日の夕方。実家のリビングでキューピーと戯れてたら、家に帰ってきた3番目の兄貴が私を見て苦々しく笑った。



3番目の兄貴……光弥みつやは警察官をやっていて、背が高くてマッチョだ。



腕とか鍛えまくっていて、見た目どおり格闘技が趣味。



今日は非番だったみたいで友達と朝から買い物に行っていたらしい。



買い物袋の中のジャーキーに気付いたキューピーが、嬉しそうに光弥の方へ飛んでいく。




「もー、やだ。あの人、逮捕してよー!兄貴~」


「お、珍しい。この間まで聞く耳を持たなかったのに」


「いい加減、目が覚めたの。だから逮捕!」




なんて泣き言を言いつつ、キューピーと一緒にゴロゴロ寝転がりながら光弥の脚に纏わりつく。



気が抜けちゃったのか精神年齢が下がりまくり。



やっぱり実家は落ち着くわー。キューピーもいるし。帰ってこようかなー。と、気分はすっかり末っ子モード。



本当は和んでなんかいられないんだけど。

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