第39話
「見たいから取ってきて」
「いやー、ドコに片付けたのか覚えてないし」
「探せば部屋のどっかにはあるだろ」
「そうだけど。探すのに時間が掛かるから」
「ふーん」
「今度、実家に帰ったときに探しておく」
またキレられたらどうしようって内心ヒヤヒヤしながら遠回しに逃げまくる。
ぶん殴られるかも…。と身構えたが、そこは別に心配する必要はなかったみたい。
機嫌良くゲームをやり始めたところを見ると貴ちゃんの怒りは既に収まってる。
ただ何も問題がないとは言いがたい。
だって、これ、絶対に疑いみたいなのを持ってるでしょ?
わざわざ聞いてくるくらいだから。
困ったなー。
どうやってごまかそう…。
眼鏡っ娘の女友達とかいたっけ?とまで考える。
貴ちゃんの方は堂々と浮気してるのに、だ。
必死こいて隠して何だかバカみたい。
そう思ったけど、それ以上は考えないようにした。
考えれば考えるほど、気持ちの収まりがつかなくなりそうで――。
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