第14話

いい男。


こいつマジでいい男。


なのに私のダーリンときたら…。



ほんと、こういうの何十回目なんだか……。



自分でもどうしてあんな最低男が好きなのか、わからないわ。



バカみたい。


でもまぁ、所詮、恋愛なんてそんなモノか。



最低でも何でも“この人しかいない”と思えてしまうのが、恋愛マジックと言うやつだ。



人間って本当に厄介。



動物のように本能だけで生きていければいいのに。




「つまみは?いる?」


「いる〜」


「わかった。ちょっと待ってて」




年期の入った座卓の前にちょこんと座り、芋焼酎が入ったグラスをカランと鳴らす。



私のお願いをあっさりと引き受けた村田は自分のグラスを座卓に置き、キッチンの中に入っていった。



夜中に家を訪問して、つまみまで作らせてる私。



これでいいのか…と思ったりもするけど、ついつい頼んでしまう。



頼みたくなるくらい村田の作る料理はかなり美味しい。


趣味が料理なだけある。



嫁にしたい男、それが村田だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る