第15話

「そういえば、この間いい感じって言ってた女の子とはどうなったの?」




料理を作る村田の隣に行き、純和風な面長の横顔を見つめる。



目が一重で鼻筋が通ってて唇が薄い。


見るからに真面目そうな雰囲気。



うん。でも、じっくり見たら、なかなかの男前だ。



悪くない。




「付き合うまでもなく振られた」


「はい?なんで?」


「思ってたのと違う。会話がつまらない。音ゲーが上手いだけのただのオタクじゃん、って言われた」


「なんじゃそりゃ。辛辣だな〜」


「な。ちょっとヘコんだわ」




お皿を出しながらヘラヘラと笑う村田。



私からしてみたら、いい男だと思うんだけど。



優しいし、面倒見もいいし、料理も上手いし。見た目も全然あり。



ゲームが上手いのなんて一種の才能みたいなものじゃない。



その子は何か違うように感じたんだろうか。



よくわからん。

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